COLLECTION
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《座る女》
- 作品解説
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ローランサンは花を持つ女性像をよく描いた。本作は、大人の気品と幼さを併せ持つ若い女性を巧みに表現した作品。椅子に腰かけるこの女性は、落ち着いた白いドレスを着て、黄色いリボンを腰に巻き、大輪のバラを手に持つ。彼女は頬をピンク色に染め、視線をぼんやりと逸らしている。首に光る真珠の粒は、1920年代後半から画家がよく描いたモチーフ。背もたれに落ちた女性の影を暗い赤で描いて、作品に深みを与えている。
若くして、ピカソやブラック等と交流したローランサンは、彼らに影響を受けつつも、女性にしかできない表現を追求した。画業の後半に描かれた本作では、以前は苦手としていた赤や黄色を効果的に使って描いており、その円熟した色彩感覚が表れている。