COLLECTION

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《紫色の花束》

制作年 1970-1975年
材質技法 油彩、カンヴァス
マルク・シャガール
作品解説
花束は、「愛の画家」シャガールにとって象徴的なモチーフである。1915年、最初の妻ベラが、彼の誕生日にナナカマドの花束を持って来てくれた。代表作《誕生日》に描かれたこの出来事は、画家にとって特別なものであったようだ。それ以来、花束は二人の愛のシンボルとして、故郷ロシアのヴィテブスクの風景や、抱き合う恋人たちの姿とともに描かれるようになる。
背景の青は、アトリエのある南仏の空と海の色であり、赤いロバはヴィテブスクの思い出につながるもの。左下にはベラが目を閉じて横たわり、中央には紫色の花束が大きく描かれる。シャガールは、愛妻ベラを第二次大戦中に亡くすが、追憶の中に生きるその姿を情感溢れるマチエールと色彩で描き続けた。
紫色の花束