COLLECTION
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《風景文花瓶》
- 作品解説
- ドーム兄弟によるガラス作品。本作は、アンテルカレールという技法を使って作られた花瓶である。この技法は、装飾を施したガラスの上に透明なガラスを被せて、ガラス層の間に装飾を挟み込むというもので、ドーム兄弟が1899年に特許を取得している。ここでは、乳白色のガラスに青や緑色のガラス粉末を熔着して、樹々に囲まれた水辺の風景をエッチングで彫り出した後、上から無色透明ガラスを重ねている。この過程で、風景部分のガラスがわずかに融け、その絵柄はぼんやりとしたシルエットとなって浮かび上がる。また、素地に仕込まれた黄色やオレンジ色が、内側から照らし出されると、背景は夕焼けのように茜色に染まる。この風景文のデザインは、デザイン主任アンリ・ベルジェによるものと思われる。