COLLECTION

コレクション

《エナメル彩鶴首花瓶》

制作年 1884-1900年
材質技法 ガラス(エナメル彩、金彩、エッチング)
エミール・ガレ
作品解説
エミール・ガレの中期のガラス作品。本作は、ふっくらと丸く膨らんだ腰部に細長く伸びる鶴首がのり、朝顔状の口縁をもつ花瓶。べっ甲色の煙ガラスに、エッチングによる浮き彫りとエナメル彩や金彩を織り交ぜて装飾を施している。鶴首には糸菊とその葉を、腰部には「すやり霞」に隠れる菊花を表し、そこに蝶の姿を重ねている。当時西洋で流行していた薩摩焼の影響が指摘されており、典型的なジャポニスムのスタイルの作品といえる。
ガレは日本美術を収集し、日本的なモチーフの作品を多く制作していた。本作の菊花もその一つである。元々、西洋の菊は一重咲きのもので、日本で観られるような八重咲きの品種は珍しかった。ガレは日本を「菊の国」と呼び讃えている。
エナメル彩鶴首花瓶