COLLECTION

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《御所人形 石橋》

制作年 1978年以降
材質技法 木、布
七世大木平藏製
作品解説
本作の本歌は、「御所人形 見立石橋」(京都国立博物館)である。「石橋(しゃっきょう)」とは、獅子舞の能で、日本から唐に渡り、文殊の浄土である清涼山(しょうりょうせん)に至った寂昭法師(ワキ)が石橋の傍らで一人の童子(シテ)に会う話である。童子は、石橋の由来や故事を教え、橋が危険で渡れないこと、橋の向こう側が文殊の浄土で、その目前で奇跡が起こるだろうと告げて立ち去る。やがて文殊浄土の愛獣である獅子(後シテ)が現れ、咲き匂う牡丹の花に狂い戯れるのである。
舞台では、牡丹の花を立てた一畳台の作り物で石橋を表わしているが、本作では、紅白の牡丹の持ち物を手に持たせて作り物を表現し、獅子口を被るのではなく頭に載せている。紅縮緬の腹掛とおでんちには、石橋に因んで牡丹と蝶の模様の縫い(刺繍)が施されている。